びわ湖の固有種にビワマスという魚がいる。サケ科の魚だ。最近TVでもよく取り上げられている。NHKBSプレミアムの「釣りびと万歳」でも取り上げられた。
筆者が初めてビワマスを食したのは5、6年前だろうか。友人と旅行した際の醒ヶ井養鱒場のレストランだった。もちろん、貴重な食材であることは知っていたが、その時はとりわけ美味しいという感慨もなかった。
ところが今夏のことだ。自宅近くスーパーで、ビワマスが刺身用に三枚おろしで店頭に並んでいた。半身で980円(税込)だった。少し贅沢してみようという気持ちで買い求めた。同じ980円でもサイズはバラバラ。もちろん最大級の物を選んだ。夕食の酒の肴になった。色は鮭のようにオレンジではなく、どちらかというと肌色。日頃の餌のせいだろう。一切れ口に入れると脂がのってこの上ない美味。今まで食べたサーモンの比ではない。半身という量は夫婦二人には多すぎる。翌日の朝食にビワマス丼として食べた。これまた絶品。
この美味をもう一度シーズン中に味わいたいと思った。次の機会に見ると丸ごと一匹で並んでいるではないか。しかも大きさによって値段が違う。それに加えて、前回購入時より見た目で値段が20~30%高くなっている。前回と同じくらいのサイズのものを丸ごと購入した。三枚おろしは無料でやってくれる。一回目ほどの感動はなかったが、美味しいのは変わりなし。もちろん、アラ、皮も胃袋におさめた。
びわ湖があるとはいえ、日常的に湖魚を鮮魚として販売しているスーパーは決して多くはない。ラッキーというのが正直な感想だ。おそらく、このビワマスがレストランのメユーにのれば3~4倍ほどの値段にはなるであろう。
4年位前になるだろうか。大津市公設市場の市民開放デーに半身のビワマスが300円程度で店頭に並んでいた。随分と安いなと思っていたら、店主が、「脂がのっていないから美味しくないよ」と言った。迷った挙句買わなかった。その時買い求めて食していたらビワマスの印象は随分悪いものになったのではないかと想像する。おそらく二度と買い求め食することもなかっただろう。
感動のビワマスだ。