ウクライナ、キエフ・・・

 京都の祇園四条界隈に「キエフ」というロシア料理のレストランがあった、というか今でも存在する。最新の情報は持ち合わせていないので古い更新されていない情報によるが、ボルシチが名物メニューであったと思う。シンガーソングライターの加藤登紀子の父親がオーナーだった(現在は加藤登紀子の兄が経営しているようだ)。一度は伝統的ロシア料理を味わってみたいと思っていたが、筆者は訪れたことがない。当時はこのようなレストランで食事を共にするパートナーがいなかった。ひとりで食事をし、酒を飲むような場ではないのである。

ウクライナ共和国(当時はソビエト連邦)の首都がキエフである。ウクライナは、中・高校の地理では世界の穀倉地帯と習った。小麦の一大生産地である。現在もそれは変わらないようである。しかし、欧州では二番目に貧しい国とされている。

 そのウクライナがロシアの侵攻にあっている。戦争行為により尊い人命が失われる事態である。第一義的な責任はロシアの指導者プーチンにあるのは異論のないところであろう。ただ、プーチンとしても、ベトナム戦争、イラク戦争などの前歴のあるアメリカの口出しは許さない、という思いもあるのであろう。ただ、ロシアも旧ソ連時代を含めてチェコスロバキア侵攻、アフガン侵攻、つい最近はクリミア侵攻を実行した前歴がある。

  ロシアがウクライナへ侵攻する理由については評論家がさまざまな見解を披露しているが、すっと腑に落ちる説明はなかなかない。恐らくさまざま理由が複雑に折り重なっているのであろう。自由主義国家と専制主義国家の戦いだと評する者もいるが釈然としない。そんな単純なものではなかろう。

  日本政府の外交に何が期待できるのであろうか。平和憲法下におかれる我々一般国民には世界の平和を祈るしかない。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず........... 」平家物語の冒頭の一文である。世界の軍事大国の未来を予言している。

無神論者である筆者が神に平和を祈らざるを得ないこの不条理を何としよう。