夏至の日のランドマーク

 

 今日は夏至である。滋賀県立美術館前に立つ「夏至の日のランドマーク」(故山口牧生氏作)を観に行った。このオブジェは、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」に出てくるモノリスのような直方体である(材質は御影石。データベースではベンガラ彩色となっているが、現在はベンガラは剥げているようだ)。この作品は南側に若干傾いており、夏至の日の正午にのみ影が無くなるように設計されている。

 今日は快晴である。影がないモノリスを見てみたい。1130分、現地には先客がひとりいた。「この作品を見に来たのか」と話しかけられた。その人はM日新聞の記者だった。新聞記事のための取材ということだった。滋賀県の夏至という題材で取材対象を検索したところ、この「夏至の日のランドマーク」が唯一ヒットしたということだった。しばし会話をした後一旦ここを離れ、1145分に戻ってきた。ギャラリーが増えていた。皆で正午の影が無くなる瞬間を見守った。正午になった。ところが、北および東側に影が少しだけあった。「地盤沈下のせいか?」「毎年微妙に太陽の軌道が異なるのでは?」などの声が上がった。私はそこにいたギャラリーに声をかけた。「完全に影がなくなった状態を過去に見た方はいらっしゃいますか?」十数人いたギャラリーの内二人の女性が手を挙げた。M日新聞の記者はその女性へインタビューを始めた。良い記事になることを願ってその場を離れた。

 その後、その場にいた別の女性から公園内に咲く珍しい植物である半化粧(半夏生)の花が咲いているのを教えていただいた。

 毎日新聞記事はこちらから。