美術館 リニューアルオープン

 滋賀県立近代美術館が「滋賀県立美術館」と名を変え、627日(日)にリニューアルオープンする。一時閉館になったのは20174月である。新館建設も含めた大規模なリニューアルを目指して設計コンペも行われ、一旦は建物周辺を含む基本設計が決まった。しかし、予算との関係(原因の一つとして、東京オリンピックによる建設費の高騰があったのではないかと思う)でご破算となり、現建物の改修と部分的なリニューアルとなってしまった。 

 リニューアルまでの4年は長かった。待ちに待った再オープンだ。近代美術館は身近に文化的かおりを感ずることができる施設だった。過去20回程度は企画展示を見ているはずだ。イラストレーター・画家の横尾忠則、前衛芸術家の赤瀬川原平(作家名:尾辻克彦)の講演を聴いたのもここだった。横尾忠則は、絵画(特に抽象画)を観る時、解説文などを読んではいけないと言っていた。観た儘を感じよ、ということだと思う。しかし、これがなかなか難しい。観た儘を感じるためには準備が必要である。観る前に心を無にしなければ、そして次の作品に移る際はさらに心をリセットしなければと思ってしまう(実は、そんな七面倒くさいことは必要ないのかもしれない)。そこでついつい横にある説明文を読んでしまい、ふむふむと納得したような顔をしてしまうのである。

 ひとつ思うことがある。美術館のすぐ隣には県立図書館がある。滋賀県は図書館の人口あたり利用者が全国でもトップクラスである。県立図書館の蔵書数も国立図書館を除くとこれまたトップクラスである。美術館が一時閉鎖に入る前、美術館の入場者はパラパラであった。一方、図書館は大賑わいである。図書館へ来場するひとを美術館へ誘導することができないものかと思ったことがある。美術館と図書館のコラボレーション企画を期待したい。生まれ変わる県立美術館の情報はこちらから。