PCR検査の記

 

2月中旬、特定健康診査の結果を聞くためにかかりつけ医院を訪れた。5日ほど前から鼻水が出ており、咳も出ていたので、その旨受付で申告すると、奥のカーテンで仕切った個室に案内された。熱はなかったのであるが、念のためということであろう。しばらくすると主治医が来て、症状などについて色々問診を受けた。パルスオキシメーターで酸素濃度を測定すると98%で問題なかった。口頭による問診だけであったが「コロナではないと思うが念のためにPCR検査を受けるか?」ときた。「ここで受けられるのか」と尋ねると「ここで受けられる」とのこと。迷わず、検査を受けることにした。しばらくすると、看護師さんが検査唾液を入れるサンプル瓶を持ってきた。「サンプル瓶に唾液を11.5ml程度とってくれ」ということだった。それで合点がいった。医院では検査サンプルを採取するだけで、検査自体は別の所で実施するということだ。15分程度かけて唾液をサンプル瓶に溜めた。これでOKである。  

 

結果は明後日、陽性であれば保健所から、陰性であれば主治医から電話連絡があるということだった。陽性だったら入院か宿泊療養だ。色々なことを妄想した。過去コロナに感染した知人から「療養中はホテルにお気に入りの入浴剤や本を持ち込んだ」というメールをもらったことがあり、それに倣い、本はこれをもって行こう、入浴剤は切れていたので家人に少しばかり高級なものを買ってきてもらおう、などなど....。

 

翌日、そんなことはすっかり忘れてテレビを見ていたところ、電話が鳴った。主治医からであった。「陰性でした」という連絡だった。「ありがとうございます」と言って電話を切った。不意打ちを食らった気分であった。予定でいえば、結果が判明するのは明日のはずである。サンプルを採取したのが18時頃、結果の通知があったのが翌日13時頃。19時間で検体搬送、検査、結果通知までいった、ということである。

 

一時は、検査をなかなか受けられない、結果が出るのに2日以上かかる、などの問題を指摘されていたが、現状ではかなり改善されているという印象である。他府県でも同様であろうか?昨年4月の滋賀県における検査数が1080/日であったことを思えば随分ハードルが低くなっていると思う。当時は検体サンプルは鼻から体液を採取する方法だった。